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PROFILE
アートってなんだろう。
上手に絵を描けるようになること?
休日の暇つぶしに美術館に行くこと?
もしそうだとしたら、絵描きになりたい人や週末の予定を埋めたい人を除いて、アートはあまり必要ない。
でもじつは、アートはそれだけではない。
それは、これまでとは異なる「ものの見方」で世界を見ることだ。
暖かい春の日、そよ風が吹いてきたとしよう。
もしあなたが「科学の見方」で風について考えるなら「気圧が高い方から低い方へ空気が押し出されて風が吹いた」と説明できる。
ではもし「アートの見方」をするならば?
頬を撫でる風が、柔らかな生き物のように感じられるかもしれない。
風に揺れる木々の音から、メロディーが心に浮かぶかもしれない。
優しい風に吹かれて、心が軽やかになるのを感じるかもしれない……。
同じ「風」からであっても、受け取れるものはこんなにも広がる。
「ものの見方」が変わると、新たな世界が見えてくる。
それはまるで、まだ見ぬ地への冒険のように、あなたのワクワクを掻き立ててくれる。
末永 幸歩 Yukiho Suenaga
アート教育実践家・アーティスト Art educator / Artist
武蔵野美術大学 造形学部 卒業。東京学芸大学 大学院 教育学研究科(美術教育)修了。
中学校の美術教諭としての経験をもち、「制作の技術指導」「美術史の知識伝達」に偏重した美術教育の実態への問題意識から、アートを通して「自分なりのものの見方」で「自分だけの答え」を探究する授業を行ってきた。
2020年にアート教育実践家として独立。全国の学校・企業・社会の様々な場での講演やワークショップの企画実施、書籍の執筆など、多岐に渡る活動を通して生きることの基盤となるアートの考え方を伝えている。
Eテレ「ノージーのレッツ!ひらめき工房」監修、文化庁「文化芸術の充実・改善に向けた検討会議」委員、品川学藝高等学校リベラルアーツコース アドバイザー、九州大学・東京学芸大学 非常勤講師など兼任。
著書『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』(ダイヤモンド社)は4ヶ国語に翻訳され、22万部超のベストセラー。
プライベートでは一児の母。「こどもはみんなアーティスト」というピカソの言葉を座右の銘に、日々子どもから新しい世界の見方を教わっている。